「WPSとPQRの役割:品質保証と安全性確保のための必須文書解説」

masabumi

「茨城在住の建設エンジニア、荒ちゃん。51年の経験を持ち、69歳。趣味はゴルフ、テニス、卓球。妻と犬と暮らし、敷地内には子供や孫が。技術と人生を共に歩み、家族と過ごす日々。」

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キャリアと仕事

こんにちは、溶接愛好者の皆さん!今回は、溶接における品質と信頼性の確保に欠かせないWPS(Welding Procedure Specification)とPQR(Procedure Qualification Record)について深掘りしてみたいと思います。これらの文書は、ただの書類ではなく、安全で確かな溶接を実現するための重要なツールなのです。

WPS:溶接のレシピブック

WPSは、まさに溶接のレシピブック。これがなければ同じ作業をしても、異なる結果になる可能性があるんです。これは溶接プロセスやジョイントにおいて、具体的な条件がどのように定義されるかを示した文書です。例えば、Gas Metal Arc Welding(GMAW)での溶接において、材料、電流、電圧、ガスの流量など、多くのパラメータがWPSに記載されます。これにより、品質を一貫して確保し、信頼性の高い溶接を実現できるのです。

PQR:合格の証明書

次にPQRです。これはWPSを作成する際の根拠となる記録。PQRは、実際の溶接試験の結果を示し、特定の条件下でのWPSの適格性を確認するもの。具体的な試験結果や物理的・機械的特性が明示され、これにより、製品や構造物が安全で信頼性があり、適切な品質基準に適合していることが証明されます。

実例を通して見るWPSとPQR

では、具体例を挙げてみましょう。GMAWによる溶接を考えた場合:

WPSの例:

プロセス: GMAW
ジョイント: Butt joint
基材: ASTM A36
追加材料: ER70S-6
電流: 150 A
電圧: 22 V
ガス: 100% rgon
予熱: なし
後処理: 無し

PQRの例:

試験: GMAWによる試験
材料: 基材 – ASTM A36, 追加材料 – ER70S-6
溶接パラメータ: 電流 150 A, 電圧 22 V, ガス 100% Argon
試験結果: 引張強さ – 550 MPa, 屈曲試験 – 合格, 硬度 – 200 HV
遵守された規格: AWS D1.1

結論

これらの文書がなぜ必要かを理解すると、溶接作業が標準化され、安全かつ信頼性の高いものになることが分かります。WPSとPQRは、品質の確保や安全性の向上、規格の遵守、資格の確認など、様々な目的で必要とされます。これらの文書は、単なる書類だけでなく、技術の精緻な舞台裏を支える不可欠な存在なのです。安全で確かな溶接を目指して、WPSとPQRの重要性に敬意を表しましょう!それでは、安全な溶接作業を!

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